【礼拝説教】  「主の祝福」  辻 幸宏牧師

創世記9章

 前回、洪水が引いてきた時に、ノアたちは、箱舟から出てきてすぐに主を礼拝したことを学びました。主がノアと共にいて下さり、ノアに対して祝福に満たして下さっているからです。そして主は語られます。「産めよ、増えよ、地に満ちよ。」(1)人は、幼い時から悪い(8:21)つまり生まれた時から罪人であると主は語られつつ、なおも主は人間が創造された時と同じ祝福の言葉をお語り下さいます。これは人間が罪人であることを忘れられたのではなく、罪人であることを知りつつも、主との正しい関係の中に留まる限り、罪の赦しが与えられ、救いに与ることが出来るものとして、お語り下さったのです。
 そしてさらにすべての動物たちが、人間の手に委ねられます。これは創造時(1:26)において「すべてを支配させよう」との言葉からの微妙な変化があります。ここには人が罪がある故に世界を破壊する怖れがあるにも関わらず、なおも人を信じて下さり、人に世界を委ねて下さっている神様の愛と忍耐の表れです。また動物の肉を食料とすることをもお許し下さいました(3)。ここには罪により人が動物を殺し、食肉にすでにしていた可能性も考えられますが、聖書はそのことを記していません。しかし人が求めたためであろうと推測することが出来ます。しかし全ての被造物を愛しておられた主にとって、その肉が食されることは痛みを伴う事であす。つまり、主は私たち人間を一方的に支配しておられるのではなく、人を愛していて下さり、人間の必要を満たして下さろうとしているのです。
 しかし、主は動物の肉を食することを、無条件に許して下さったのではなく、「命」と同等の価値をおかれる「血」を含んだまま肉を食することを禁止され、命をお与え下さる主を覚えることを求められたのです(4)。
 またさらに人の血を流す者には主からの賠償(裁き)があることを主は語られます(5)。ここで「人間どうし」と語られている言葉は「兄弟である人」(口語訳)であり、互いの間には、上下関係・主従関係も、差別もあってはならない関係性にあるのです。互いに肉親の如くに尊重し合う必要があるのです。主にとって一人の人の命は、とても尊いのです。だからこそ、その命の血が流されることによって、非常な悲しみにあり、罪に対する憤りを持たれ、その罪を主はお赦しにはなられないのです。罪の刑罰が求められます。
 先日2/11を迎え、信仰の自由を守る集会が行われました。今年のテーマは「平和憲法を守る」でした。これは最近自民党を中心に、憲法改正の動きが加速していることに対する危機感からあるからです。彼らが行っている憲法改正の中心は、天皇を国家元首とすることと、防衛のための軍隊を持つことです。前者に関しては、国家神道に繋がることから私たちは信仰の自由を守るために活動していく事が求められています。そして後者の軍隊に関してはどうなのか? 今回の集会では、このことを語り合い、キリスト者として平和憲法を維持しなければならないことを私たちは確認することが出来ました。本論から離れたように思えるでしょうが、実はこの5〜6節の御言葉にたどり着くのです。やられたらやり返すために、軍隊を整備するのではなく、万が一やられたら、そのことを主の御前で、国際的な機関で、罪を裁き、罪を除去することが、私たちに、そしてキリスト者として求められているのではないでしょうか。
 さらに主は新しい契約を私たち人間にお示し下さいました。「命の契約」(2:16-17)に対する「恵みの契約」と呼ばれています。ウェストミンスター信仰告白7章「神の人間との契約について」は次のように語ります。3「人間は自分の堕落によって、自らを、この契約(命の契約)によっては命を得られないものにしてしまったので、主は、普通に恵みの契約と呼ばれる第二の契約を結ぶことをよしとされた。それによって、神は罪人に、命と救いを、イエス・キリストによって、価なしに提供し、彼らからは、救われるためにキリストへの信仰を要求し、そして命に定められたすべての人々が信じようとし、また信じることができるようにするために、聖霊を与える約束をされた。」つまり主は人間に対して、無条件に罪の赦しと救いを提供して下さいました。その罪を赦して下さるために、神の御子イエス・キリストがこの世に来られ、私たちに代わって十字架にお架かり下さいました。ただし無条件といっても、何もなければ人間は罪を繰り返し、主の裁きを招きます。それを防ぐために、主への信仰を求め、主の御言葉に聞き従うことを求めておられるのです。そうすることにより、私たちは罪の誘惑に陥らないように守られているのです。
 主は、ノアの時代のような洪水を繰り返すことをなさらないと約束して下さいました。心から感謝しましょう。そして虹を見ることにより、主が私たちの罪を忍耐して下さりつつ、私たちに罪の赦しと救いをお与え下さっていることを覚え、信仰を新たにしましょう。
                                              (2005.2.13)
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