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【礼拝説教】  「誓いを立てる」  辻 幸宏牧師

ヤコブの手紙5章12節

 12 わたしの兄弟たち、何よりもまず、誓いを立ててはなりません。天や地を指して、あるいは、そのほかどんな誓い方によってであろうと。裁きを受けないようにするために、あなたがたは「然り」は「然り」とし、「否」は「否」としなさい。



T.聖書が語る「誓い」
 説教題を「誓いを立てる」としました。申命記10:20では、「あなたの神、主を畏れ、主に仕え、主につき従ってその御名によって誓いなさい」と語り、一見ヤコブの言葉を否定しているようです。しかしそうではないのです。私たちは「誓い」とは、誰に対してどの様に行われるべきかを、確認しなければなりません。ウェストミンスター信仰告白第22章「合法的宣誓と請願について」第1節では、「宣誓は、宗教的礼拝の一要素であり、これによって、正当な場合、誓いをする人は、自分が主張し、あるいは約束することの証人となってくださるように、また、自分が誓うことの真偽に応じて自分を裁いてくださるように、厳粛に神を呼び求めるのである」と語ります。つまり誓いは、主なる神さまがその証人となって下さることを願いつつ、神礼拝としてなされるのです。
 主なる神さまは、天地万物の創造者であり、統治者です。そして全知全能で在られます。私たちの行い、言葉、そして心の中まで全てご存じです。さらに主は完全なお方です。聖・義・真実であり、ここに罪や嘘が入ってくる余地はありません。このお方が誓いの証人となって下さるのです。だからこそ、信仰告白では続けて「自分が誓うことの真偽に応じて自分を裁いてくださるように、厳粛に神を呼び求めるのである」と告白します。主の御前にあって私たちは罪人で、欠けを持っています。主の御前に誓ったことを完全に実現することは不可能です。不可能なことを誓うこと、実現できないことを誓うことは、主の裁きをもたらします。それは、神さまの御名を汚すからです(第三戒、レビ19:11-12)。だからこそ信仰告白は続けて語ります。「神の御名のみが、それによって人々が誓うべき名であり、誓いにおいて神の御名は、全く清い畏れと畏敬の念をもって用いられるべきである。従って、その輝かしく、恐るべき御名によって、みだりに、あるいは軽率に誓うことや、ともかく何か他のものによって誓うことは、罪深いことで、嫌悪されるべきである。」
 では私たちがどの様な時に主の御前に誓うのか。教会における誓約があります。第一は、洗礼・信仰告白における誓約です。主による救いを受け入れ、主の僕となるのです。主の御言葉に服従し、全身全霊をもって礼拝を献げ、主の働きのために奉仕し、献げ物を献げることが求められます。第二は、結婚の誓約です。第三が、教会役員としての牧師・長老・執事の誓約です。誓約は、主の御前にそして教会において責任が伴います。日々遜りつつ、主の働きを行うことが求められているのです。

U.安易に誓うな!
 だからこそ、ヤコブが語るように私たちは安易に誓いを行ってはならないのであり、主イエスも同様のことを語っておられるのです(マタイ5:33-37)。
 またヤコブは「天や地を指して、あるいは、そのほかどんな誓い方によってであろうと」と語ります。これは、誓いが主の御前に責任を果たすべき誓いではなく、権威付けとして人々に対して見せつけるための誓いだから拒絶されるのです。「信用取引」と言う言葉があるが、私たちが様々な契約を行おうとすれば、保証人や保証となるものが求められます。主の御名や他のものによって権威付けを行い、相手に納得させようとすること、見栄を張ることを行ってはならないのです。それはまた、誓いを果たさなくても許されるような、軽はずみの誓いをも戒められています。誓いは「冗談」では済まされないのです。

V.日々の生活を主の御前で誠実に
 御子は、2000年前のクリスマスの日、人として遜り、貧しい姿で人となられました。そして十字架にお架かり下さいました。それは、私たちの罪を償うためでした。私たちの姿は主の御前に全て明らかにされています。そしてこの全ての行いによって主の裁きにあうのです。私たちは、行いと言葉と心において、罪の刑罰としての死に値する者です。この私たちの罪を、キリストは十字架に背負うて、私たちの罪を償い、贖って下さったのです。
 つまり、主は私たちを全てご存じでありつつ、私たちを受け入れて下さり、愛して下さり、救いに導いて下さったのです。だからこそ主の御前に誠実でなければなりません。人前で見栄を張り、人を欺いてはなりません。だからこそ私たちは人前で安易に誓いを立てることをしてはならないのであり、またする必要もないのです。誓いを立てる時は、主の御前に厳粛に、誠実に行うべきです。
                                     (2007.12.2)
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